岸田奈美の母が病気で苦しむ中、家族が直面する逆境と再生の物語

「note」でエッセイを書き始めた岸田奈美は、読者を集め書籍化を達成した。

しかし、その後2年半で予想外の変化に見舞われた。

母の大病、祖母の認知症、弟のグループホーム入居を受け、岸田は京都に住まいを移し、仕事と実家を行き来するようになった。

それまではバラバラに暮らしていても週末に実家に集まっていたが、それさえも困難になった。

この激動の時期に岸田が直面したのは、エッセイでは癒せなかった傷、悲しみ、孤独だった。

著者は、ダウン症の弟に関するエッセイが批判された際、障害のある家族を持つ人から「明るく書くのは困る」という意見を受けました。

そこで、著者は「愛したのは家族だった」というエッセイで、家族だからではなく、その人の性格を愛したと主張しました。

NASAが打ち上げ時に配偶者や子供しか立ち会わせないというエピソードから、家族は「自分が選んだ人」であるという考え方に納得し、今後も自分の愛する人について書く決意を表明しました。

さらに、著者は「岸田奈美」というブランド化、愛する人や物に囲まれること、成長と刺激のある日々を送ることを今後の目標としています。

岸田奈美の祖母、弘子さんは認知症のような症状により、近年の記憶を失い、過去の記憶が混ざり合って現在の言動に現れるようになりました。

例えば、同じ店を何度も訪れたり、食事の作り方を忘れたり、ついさっき言ったことを思い出せなくなったりしています。

こうした弘子さんの言動を、家族は「タイムスリップ」と表現しています。

岸田奈美さんは、つらい経験を乗り越えるために、ダウン症の弟や車椅子ユーザーの母親などのさまざまな目線で捉え直す思考法を用いています。

この方法により、自分の怒りを客観的に見つめ、違う感情に変化させることができたといいます。

大学生の時に株式会社ミライロの創業メンバーとして参画し、広報として活躍。

独立後はノンフィクション作家として活動している岸田奈美さんは、台風や嵐の際にはじっと待つように、困難な状況でも前向きに捉えるまでに3年かかった。

母と徹底的に落ち込んだ後、母の「車椅子になってよかった。

今のほうが幸せ」という言葉で救われ、前向きになれた。

岸田奈美さんは日曜日の夜に放送されるドラマ「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」のため、実家で過ごす時間を変更しています。

また、エッセイの文庫化に伴い、ドラマへの思いや家族の変化などを語っています。

エッセイには、表紙のイラストに関する装丁家とのやり取りや、一穂ミチさんによる解説も含まれています。

ドラマは、エッセイでは描かれなかった岸田さんの「となりの人生」を描いています。

エッセイでは書ききれなかった潜在的な想いや、岸田さんが「こうだったらいいな」と願っていた人生を、ドラマの中の主人公を通して表現しています。

岸田さん自身、かつては周囲への感謝や本音を伝えることができず、余裕のなさから気づけなかったことを、ドラマの中の主人公が代わりに経験しています。

作家・岸田奈美さんは、車いすユーザーの母、ダウン症の弟、そしてベンチャー起業家で急逝した父とのエピソードを綴ったエッセイを発表。

そのエッセイは文庫化され、ドラマ化も決定。

現在は東京と大阪で仕事をしながら京都に住み、週末に神戸の実家に集まって家族で食事をする生活を送っている。

ノンフィクション作家の岸田奈美さんは、父の突然死や母の麻痺という逆境を経験しました。

彼女の文章の強さとしなやかさは、これらの苦難から得られたもので、傷つくことで人を傷つけない笑いや愛のこもった文章が書けるようになったのです。

岸田さんの文章は、編集担当者からも「人を傷つけずに面白い」と評価されています。

奈美は、家族が身近にいたことで、自立心が育まれず、困難に直面したときに頼り過ぎてしまったと感じている。

そのため、家族から離れた方が良いと助言されたことが、彼女の成功に貢献したと認識している。

また、奈美は、パラリンピックについても番組コメンテーターを務める予定がある。

「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」というタイトルのエッセイは、著者が家族との愛と絆について綴った内容である。

撮影現場を見学した著者の母親は、家族が揃うシーンを見て感動して泣き崩れた。

制作陣は、このシーンを著者の家族に見せるためにわざわざ調整したという。

このエッセイは、家族の愛の大切さを伝える作品として高く評価されており、2023年5月にNHKで連続ドラマ化された。