13トリソミーの顔貌の特徴:医師が解説する特徴的な症状と診断
ライターのYUKOです。今回は、13トリソミーの顔貌の特徴について医師が解説します。
13トリソミー(パトウ症候群)とは?
染色体異常症である13トリソミーは、約何人の割合で新生児に発生すると言われていますか?
約1万人
13トリソミー(パトウ症候群)は、13番目の染色体が過剰に存在する染色体異常症です。
先天性の染色体異常で、新生児に約1万人に一人の割合で発生します。
13トリソミーの赤ちゃんは、胎内で体が小さく、重度の知的発達障害やさまざまな病気や合併症があります。
詳しくみる ⇒参照元: 染色体異常の一種である13トリソミー(パトウ症候群)とは?症...13トリソミーの特徴と症状
13トリソミーとは何ですか?
染色体異常によって起こる疾患
13トリソミーは、染色体異常によって引き起こされる疾患です。
合併症が重く、運動面や精神面で強い発達の遅れ、唇や口蓋の裂け目、多指、小球眼、頭皮欠損などの多くの見た目の合併症、心疾患や脳疾患を伴います。
生存率は低く、生まれても1歳まで生きられる確率は10%未満です。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミー(パトウ症候群)の特徴と高齢出産との関係13トリソミーの症状と合併症
13トリソミーの主な症状とは?
頭部・顔面などの形成異常
13トリソミーの主な症状は、小頭症、頭皮欠損、眼球形成異常、唇裂や口蓋裂、耳介形態異常、停留精巣、単一手掌横線、踵の突出など、身体の様々な部分に現れる。
また、成長障害、発達遅延、けいれん、呼吸器合併症、心疾患、消化器合併症、腎疾患などの合併症を伴う場合もある。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミー(パトウ症候群)の症状、特徴は?出生前診断で分...染色体の3本状態
染色体が3本ある状態は何と呼ばれますか?
トリソミー
トリソミーとは、染色体が3本ある状態を指し、常染色体番号が小さいほど障害が重度になる傾向があります。
染色体のうち、常染色体は体の構造や機能に関する遺伝情報、性染色体は主に男女を決定する遺伝情報を格納しています。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーについて|花小...トリソミーのもう2つ
知名度の低い2つのトリソミーとは何ですか?
パトウ症候群とエドワーズ症候群
NIPTで調べられるトリソミーは3つあり、ダウン症候群以外にも、13番染色体が1本多いパトウ症候群と18番染色体が1本多いエドワーズ症候群があります。
パトウ症候群は5,000~12,000人に1人の割合で発生し、高齢出産になるほど可能性が高くなります。
エドワーズ症候群の発生頻度は6,000~10,000人に1人で、パトウ症候群と同様に高齢出産で可能性が高まります。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミーと18トリソミーとは?ダウン症と並ぶ染色体疾患...13トリソミー症候群の特徴と症状
13トリソミー症候群の赤ちゃんの特徴を教えてください
体格が小さい
13トリソミー症候群は、13番目の染色体が3本ある状態です。
赤ちゃんは体格が小さく、さまざまな症状や合併症をもって生まれてきます。
出生する確率は約5,000~12,000人に1人といわれています。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミー(パトウ症候群)の症状、特徴は?出生前診断で分...染色体の数の異常による先天性障害
13トリソミーや18トリソミーの患児の生存率はどれほどですか?
10%未満
13トリソミーや18トリソミーは、染色体の数の異常によって引き起こされる重度の先天性障害です。
これらの障害を持つ患児の大部分は生後1か月を前に死亡し、1年以上生存できるのは10%未満とされています。
18トリソミーは5000人に1人の頻度で発生します。
主な症状は、心臓の形の変化や、お腹の中にいる時期からの目立った発達の遅れです。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーについて|花小...トリソミーの予後
13トリソミーの赤ちゃんの平均的な生存期間はどれくらい?
1年未満
13トリソミーは3つのトリソミーの中で最も平均寿命が短く、約80%の赤ちゃんが1ヶ月以内に亡くなり、1年以上の生存率は10%未満です。
しかし、NICUでの治療が進歩し、自宅療養するケースも増えています。
日本での最高齢は20歳以上、欧米では30代という報告もあります。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミーと18トリソミーとは?ダウン症と並ぶ染色体疾患...13トリソミーの症状と生存率
13トリソミーの赤ちゃんが1年以上に生存できる確率は?
1割未満
13トリソミーは致死的な染色体異常で、出生後の生存率は低いです。
小児医療の進歩により自宅療養が可能になっているケースもありますが、医療的・福祉的サポートの充実が不可欠です。
特徴的な症状としては知的障害、発達障害、心臓疾患、脳・消化管の先天的異常、中枢神経系の異常、泌尿器系の異常などが挙げられます。
診断は羊水検査や出生前後の検査で行われます。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミーとは?症状の特徴と検査方法について学ぼうパトウ症候群:治療と予後
パトウ症候群の根本的な治療法は?
存在しない
パトウ症候群は、根本的な治療法がなく、外科的手術や薬物治療などの対症療法が行われます。
13トリソミーはかつて積極的な治療を行わない疾患とみなされていましたが、医療の進歩により生存、成長を助ける体制が整いつつあります。
新生児集中治療室の増加や、心奇形に対する外科手術の進歩により、1年生存率は10~20%、10年生存率は約13%に改善しています。
詳しくみる ⇒参照元: パトウ症候群(13トリソミー)とは?顔貌・特徴・寿命・確率を...18トリソミーの特徴と原因
18トリソミーの原因は母親にあるのでしょうか?
いいえ
18トリソミーは、18番染色体が通常より1本多く存在する染色体疾患です。
原因は主に母親由来の染色体によるものとされていますが、母親が自責する必要はありません。
染色体の数的異常によって遺伝子の量的不均衡が生じ、身体的特徴や合併症を引き起こします。
18トリソミーの赤ちゃんには、頭が小さく、耳の形に異常があるなどの顔貌の異常や、手指の重なり、短い胸骨、先天性心疾患などの合併症がみられることが多いです。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミーと18トリソミーとは?ダウン症と並ぶ染色体疾患...13トリソミー:染色体異常による疾患
染色体異常13トリソミーの症状は?
運動障害と知的障害
染色体異常13トリソミーは、13番目の染色体が1本多いなど通常と異なる構造に変化していることで起こる。
症状は比較的重い運動障害と知的障害で、言葉を話したり、一人で歩くことは難しい。
モザイク型と呼ばれる症状が軽くなるタイプもある。
出生頻度は約8,000~12,000人に1人で、ダウン症、18トリソミーに次いで多い染色体疾患である。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミーの特徴とたくさんの合併症13トリソミー:原因、症状、治療
13トリソミーの原因は何ですか?
生殖細胞の染色体分離不全
13トリソミーは、染色体の13番目に通常より1本多い状態です。
これにより、停留精巣や双角子宮などの生殖器の異常、無呼吸発作などの症状が現れます。
13トリソミーは、5,000~12,000人に1人の割合で発生し、母親の年齢が高くなるほどリスクが高くなります。
原因は、生殖細胞の染色体が上手く分離できず、13番目の染色体が3本になってしまうことです。
母親が高齢の場合、卵子が老化して細胞分裂時に染色体が分離しないことがあり、13トリソミーのリスクが高くなります。
治療法はありませんが、合併症に対する治療が行われます。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミーとは?症状の特徴と検査方法について学ぼう13トリソミーの出生前診断と遺伝カウンセリング
超音波検査で分かる13トリソミーの特徴は?
発育不全やイチゴ型頭蓋
13トリソミーは出生前に超音波検査で分かる場合があり、著しい発育不全やイチゴ型頭蓋といった合併症が特徴的です。
出生後は新生児集中治療や外科治療が必要となる可能性が高く、出生前に診断できれば、治療方針や家族の心構えに役立ちます。
しかし、超音波検査では障害の程度までは判明せず、診断後は遺伝カウンセリングを受け、情報収集や意思決定のサポートを受けることが推奨されています。
出生前診断は情報を得る権利がある一方で、結果によって動揺するケースもあり、検査を受ける前に十分な話し合いと検討が必要です。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミーの特徴とたくさんの合併症13トリソミーの出生前診断
染色体検査で13トリソミーと診断された場合、出生前に実施できる精密検査は何ですか?
羊水穿刺または絨毛採取
13トリソミーの出生前診断は、羊水穿刺または絨毛採取によって行われます。
羊水穿刺は妊娠15週以降、絨毛採取は妊娠11週から14週に実施可能です。
どちらの検査でも採取した検体で、迅速診断と確定診断が行われます。
確定診断後には、病状や合併症の可能性を考慮した詳細な検査が実施されます。
詳しくみる ⇒参照元: 13トリソミー(パトウ症候群)の症状、特徴は?出生前診断で分...