自閉症スペクトラム障害(ASD)って、一体ナニ?とは!?
💡 自閉症スペクトラム障害(ASD)は、以前はアスペルガー症候群と呼ばれていた。
💡 社会的なコミュニケーションや対人関係に困難を抱える神経発達障害。
💡 現在では、様々な症状の重なりが見られることから、スペクトラム障害と捉えられている。
それでは、自閉症スペクトラム障害(ASD)について詳しく見ていきましょう。
アスペルガー症候群から自閉症スペクトラム障害(ASD)へ
それでは、まずはChapter-1、自閉症スペクトラム障害(ASD)とは何かというお話から始めましょう。
✅ この記事は自閉スペクトラム症(ASD)について解説しています。
✅ ASDの特徴、原因、治療方法などの基礎知識に加えて、診断基準や併存しやすい疾患について説明しています。
✅ また、以前使われていた「自閉症」「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」との違いや、ASDに対する薬物療法についても触れています。
さらに読む ⇒LITALICO発達ナビ | 発達障害ポータルサイト出典/画像元: https://h-navi.jp/column/article/35029344なるほど、昔の呼び方と今の呼び方の違いが分かりましたね。
アスペルガー症候群は、かつては「広汎性発達障害」として、アスペルガー症候群、自閉性障害、レット障害などに分類されていましたが、2013年にDSM-5が改訂され、それらの障害を「ASD」としてひとまとめにしました。これは、これらの障害の境界が曖昧で症状が重複することが多く、区別が困難であるためです。そのため、アスペルガー症候群は現在、ASDの一種として捉えられています。
そうやねー、でも、要は、みんなが持っとる能力とちょっと違うだけやけん、気にしなくていいと思うよ!
自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断基準
Chapter-2は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断基準についてです。
✅ この記事は、大人になって対人関係が苦手な人が、発達障害の一つである自閉スペクトラム症(ASD)を疑うべき理由について説明しています。
✅ 特に、社会に出た際に、周りの人と異なる行動パターンや判断力から生きづらさを感じ、ストレスや気分障害などが併発することで発達障害に気づくケースが多いとされています。
✅ 記事では、発達障害の定義や種類を説明した上で、自閉スペクトラム症について詳しく解説しています。発達障害に関する理解を深め、生きづらさを抱えている人が適切なサポートを受けられるように促すことが目的です。
さらに読む ⇒メンタルケア研究室 | 対面心理療法3時間無料サービス-精神付添人出典/画像元: https://mentalcare-lab.com/dd/確かに、大人になってから診断されるケースもあるんですね。
自閉スペクトラム症(ASD)の診断基準は、世界共通の操作的診断基準であるICD-11とDSM-5に記載されています。DSM-5では、ASDの診断基準は5つの項目に分けられます。A. 社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥B. 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式C. 症状は発達早期に存在しているD. 症状は、社会的、職業的、または他の重要な領域における現在の機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしているE. これらの障害は、知的能力障害(知的発達症)または全般的発達遅延ではうまく説明できないICD-11では、DSM-5の内容に準拠しつつ、社会的コミュニケーションと反復的な様式の欠陥に、年齢、知的発達レベル、性別、社会文化的背景を考慮した条件が追加されています。両方の診断基準では、AとBがASDの中心的な障害であり、発達早期に存在する症状が、日常生活に障害を引き起こしていることが診断のポイントとなっています。
若い頃は分からんかったけど、歳とって色々経験して、やっと自分が違うことに気づくんやろうね。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の概要
Chapter-3では、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つお子さんの特徴についてお話します。
公開日:2024/05/18
✅ この記事は、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ子どもの顔つきや表情の特徴的な3つのサインについて解説しています。
✅ 具体的には、表情の乏しさ、目の合わないこと、場にそぐわない表情の3つが挙げられており、それぞれの特徴や理由が詳しく説明されています。
✅ また、これらのサインを理解することで、ASDを持つ子どもへのより適切なサポートを提供できるようになるという点も強調されています。
さらに読む ⇒dekkun.(デックン)- 共に歩む、障がい福祉の未来へ出典/画像元: https://dekkun-hattatsu.com/what-are-the-facial-features-of-children-with-autism-spectrum-disorder-asd-3-signs-parents-should-be-aware-of/なるほど、見た目で分かる特徴があるんですね。
自閉スペクトラム症 (ASD) は、社会的交流とコミュニケーションの障害、反復的な行動パターン、そしてしばしば知能遅滞を伴う不均一な知能発達を特徴とする神経発達障害です。症状は幼少期に始まり、その原因は多くの場合不明ですが、遺伝的要素が関与していると考えられています。診断は、発達歴と観察に基づいています。治療には、行動管理と場合によっては薬物療法が含まれます。
えー、顔つきでわかるって、なんかかわいそうやな。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の発生と原因
Chapter-4では、自閉症スペクトラム障害(ASD)の原因について解説していきます。
✅ 東京大学分子細胞生物学研究所の中村勉講師らの研究グループは、自閉症の発症原因となるタンパク質PX-RICSを特定しました。
✅ PX-RICSは神経細胞の表面にGABA A 受容体を運搬する役割を果たしており、PX-RICSが欠損するとGABA A 受容体の発現が阻害され、社会認知機能に障害が生じ、自閉症に似た行動異常が現れることが明らかになりました。
✅ この発見は、PX-RICSを標的とした自閉症の新しい薬剤開発に繋がる可能性があり、今後の研究に期待が寄せられています。
さらに読む ⇒東京大学出典/画像元: https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/a_00470.html遺伝的な要素も大きいんですね。
ASD は、神経発達の正常な範囲からの逸脱であり、その境界は不明瞭です。他の一般的な神経発達障害には、注意欠陥多動性障害 (ADHD)、学習障害 (例:読字障害)、知能遅滞などがあります。ASD の最新の推定有病率は米国で 1/68 で、他の国でも同様です。ASD は男性で約 4 倍多く発生します。最近の ASD の診断の進歩は、特に診断基準の変更によるものです。ASD の原因の大部分は不明ですが、先天性風疹症候群、巨細胞封入体症、フェニルケトン尿症、結節性硬化症、または脆弱 X 症候群を合併するケースも存在します。遺伝的要素の存在は強力なエビデンスによって裏付けられています。ASD の子供を持つ親は、次の子供も ASD を持つリスクが 50 ~ 100 倍高くなります。また、ASD は一卵性双生児で高い一致率を示します。複数の家族を対象とした研究から、いくつかの標的遺伝子領域が示唆されており、神経伝達物質受容体 (セロトニンと GABA) や中枢神経系の構造制御 (HOX 遺伝子) に関連する領域が含まれています。環境的要因が疑われていますが、証明されていません。予防接種は ASD を引き起こさないという強力なエビデンスがあり、関連性を示唆した主要な研究は、著者がデータを不正に操作したため撤回されました (MMR ワクチンと ASD も参照)。ASD の原因の多くは、脳の構造と機能の差異に基づいていると考えられています。ASD の子供の中には、脳室拡張、小脳虫部の低形成、脳幹核の異常などが見られる子供もいます。海馬の構造の違いも報告されています。
まあ、遺伝的な要素もあるみたいやけど、別に悲しむことじゃないよね。みんな、それぞれ違うもんやし。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の症状
Chapter-5では、自閉症スペクトラム障害(ASD)の症状について詳しくお話します。
✅ 自閉スペクトラム症(ASD)は、コミュニケーションの障害と強いこだわりが特徴です。
✅ ASDのお子様は、社会的なルールや相手の気持ちを理解することが難しく、周囲とのコミュニケーションで苦労することがあります。
✅ Pal教室では、ABA(応用行動分析)に基づいた療育で、ASDのお子様の行動の原因を分析し、環境調整や行動への反応によって望ましい行動を促進しています。
さらに読む ⇒パル教室/埼玉県朝霞市の児童発達支援・放課後等デイサービス事業所PAL教室出典/画像元: https://pal-kids.jp/jiheisyo_spectrum/具体的な症状を知ることで、周りの人も理解を深められますね。
ASD は 1 歳以内に顕在化する可能性がありますが、症状の程度によっては、学齢期になるまで診断されないことがあります。ASD を特徴付ける 2 つの主要な特徴は以下のとおりです。1. 社会的コミュニケーションと相互作用の持続的な障害。2. 行動、興味、または活動の制限された様式の繰り返し。これらの両方の特徴が幼少期に存在し (認識されていなくても) 家庭、学校、または他の状況で子供の機能を著しく妨げるほど重度の場合は、 ASD と診断されます。症状は、子供の発達レベルと個々の文化の基準と比較して、非常に顕著である必要があります。社会的コミュニケーションと相互作用の障害の例としては、次のものがあります。 社会的または感情的な相互作用の障害 (例:社会的交流または会話を開始またはそれに応答できない、共感できない)。 非言語的な社会的コミュニケーションの障害 (例:他者のボディランゲージ、ジェスチャー、表現を理解するのが難しい、表情、ジェスチャー、アイコンタクトが不足している)。 人との関係を発展させ維持する障害 (例:友達を作る、さまざまな状況に合わせて行動する)。親が最初に気づく症状は、言語発達遅延、遠くのものを指さすことができない、親または一般的な遊びへの関心の欠如などです。制限された行動、興味、または活動のパターンの繰り返しの例としては、次のものがあります。 反復的な動きまたは発話 (例:手を叩いたり指をはじいたりすることの繰り返し、奇妙な言葉を繰り返し言う、聞いた言葉をすぐに繰り返す 反響言語、おもちゃを並べる)。 日々のルーチンまたは儀式的な行動に対する融通の効かない執着 (例:食事または衣類の小さな変化に過度にストレスを感じる、反復的な挨拶の儀式)。 極めて制限的で、異常に強く、固定された興味 (例:掃除機に執着する、子供の場合、飛行機の運航スケジュールを書き出す)。 感覚入力に対する独特な反応 (例:特定の音や感触に対する異常な敏感さまたは鈍感さ、特定の感覚入力に対する異常な興味、例:物体を回転させたり、匂いを嗅いだりする)。
昔は、コミュニケーション障害って、治らんと思われてたんやけど、今は、ちゃんと治療できるんやろうな。
今回の記事では、自閉症スペクトラム障害(ASD)について、基本的な情報から最新の研究成果まで幅広く紹介しました。
💡 自閉症スペクトラム障害(ASD)は、かつてはアスペルガー症候群と呼ばれていた。
💡 社会的なコミュニケーションや対人関係に困難を抱える神経発達障害。
💡 現在では、様々な症状の重なりが見られることから、スペクトラム障害と捉えられている。