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森繁久彌の『社長シリーズ』?戦後日本のサラリーマン像とは!!?

森繁久彌の『社長シリーズ』?戦後日本のサラリーマン像とは!!?
📘 この記事で分かる事!

💡 森繁久彌は、日本の映画界を代表するコメディアンの一人

💡 『社長シリーズ』は、戦後日本の高度経済成長期を背景にした喜劇映画シリーズ

💡 シリーズを通して、森繁久彌演じる社長の個性と、周りの個性的な社員たちの関係性が描かれる

それでは、森繁久彌さんと『社長シリーズ』について、詳しく見ていきましょう。

森繁久彌と『社長シリーズ』

森繁久彌さんの演技は、本当に魅力的ですよね。

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へそくり社長 1956年 東宝

✅ 「社長シリーズ」の第一作で、後のシリーズの原型となる要素が見られるものの、社長のキャラクターや登場人物の関係性がまだそれほどデフォルメされていない。

✅ 小林桂樹演じる秘書は、後のシリーズの原型となるキャラクター性を持ちながらも、まだそれほど強い個性を持っていない。

✅ 森繁久彌演じる社長の恐妻家ぶりや女好き、妻との関係性、三木のり平演じる社員の宴会芸など、後のシリーズで特徴となる要素がすでに存在する。

さらに読む ⇒日本映画1920-1960年代の備忘録日本映画1920-1960年代の備忘録出典/画像元: https://nihoneiga1920-1960.hatenablog.com/entry/2020/10/31/150354

森繁久彌さんの個性的なキャラクターが際立つ作品ですよね。

森繁久彌は、東宝で数多くの映画に出演し、特に「社長シリーズ」は、高度成長期の企業を舞台に、浮気者の森繁社長と個性的な社員たちのドタバタ劇を描いた喜劇映画として人気を博しました。シリーズは、1956年から1970年にかけて製作され、笠原良三の脚本と松林宗恵の演出によって、1960年代の日本の社会風俗を映し出し、大ヒットを記録しました。森繁社長は、能力的には平凡ながらも、先代社長の縁戚という理由で社長に就任し、浮気や小遣い稼ぎに苦労する姿がユーモラスに描かれています。このシリーズは、森繁久彌、小林桂樹、三木のり平といった個性的なキャラクターが登場し、社長の浮気失敗や先代夫人とのやり取りなど、後のシリーズ作品につながる要素も見て取れます。

めっちゃ面白かったわ!森繁久彌って、ほんまに面白い人やんな!

そうやね、森繁久彌って、時代劇のイメージ強いけど、コメディも上手いんだね!

森繁久彌さん、若い頃はイケメンだったのよ。

『へそくり社長』:社長シリーズの幕開け

『へそくり社長』は、まさに『社長シリーズ』の始まりと言える作品ですよね。

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へそくり社長:映画作品情報・あらすじ・評価

✅ 「青い果実」の笠原良三によるオリジナル脚本を基に、千葉泰樹監督が「サラリーマン 続・目白三平」の経験を活かし、中井朝一が撮影を担当したコメディ映画「三等重役」は、森繁久彌、越路吹雪、小林桂樹、八千草薫といった豪華キャストを起用し、サラリーマンシリーズの第3作目として制作されました。

✅ 物語は、明和商事の新社長田代善之助が、先代社長の令嬢厚子を娶ったことで「三等社長」と呼ばれるようになることから始まります。彼は、毎朝先代社長の肖像画と「仕事に惚れろ、金に惚れろ、女房に惚れろ」という言葉を拝むことで、自身の成功を意識しています。

✅ 大阪から上京した厚子の妹未知子が、お婿さん探しを目的に株主総会に出席した際に、善之助の秘書小森信一がお守役を務めます。未知子の要求により、小森は恋人のタイピスト大塚悠子とのデートを諦め、未知子を伴い芸者遊びに。その後、未知子の要望で小唄の稽古に付き添うことになった善之助は、小唄師匠の小鈴から気に入られ、自身の野心を叶えるために五十万円の資金援助を要求されます。善之助は秘書の小森に相談し、出張旅費をごまかす、伝票を偽造する、財布を掏られたと嘘を言うなど、様々なへそくり方法を教わります。そしてボーナスの日に伝票を二本建にして、小鈴への約束を果たそうとした矢先、先代未亡人と厚子夫人、未知子が会場へ現れ、善之助は慌てて平伏してしまうという結末を迎えます。

さらに読む ⇒MOVIE WALKER PRESS ムービーウォーカー プレス 映画MOVIE WALKER PRESS ムービーウォーカー プレス 映画出典/画像元: https://moviewalker.jp/mv24474/

森繁久彌さんの、ちょっとドジで可愛らしい社長の姿が印象的でした。

『へそくり社長』は、1960年代の東宝昭和喜劇黄金時代を牽引した森繁久彌社長シリーズの記念すべき第1作です。戦後の復興期に、会社を舞台とした映画が流行していた中で、社長シリーズは、能力的には平凡な社長・田代善之助(森繁久彌)とその周りの個性的なキャラクターたちが織りなすユーモラスな物語で人気を博しました。森繁社長は、先代社長の縁戚という理由で社長に就任しましたが、先代夫人に頭が上がらず、株主総会にも怯えています。彼は、小唄を習い始めるものの、小遣いに困り、秘書の小森(小林桂樹)から金銭を借りる始末。さらに、浮気相手にするつもりの小唄の師匠とのデートも失敗し、先代夫人や娘・未知子(八千草薫)との関係にも悪戦苦闘します。社長シリーズの定番となる人物設定やエピソードがこの作品で既に確立されており、森繁社長、小林桂樹秘書、三木のり平宴会部長といった主要キャラクターが登場します。また、社長の浮気失敗や先代夫人とのやり取りなど、後のシリーズ作品につながる要素も見て取れます。この作品は、シリーズ全体への理解を深め、今後の作品への期待感を高める、興味深い第一歩となるでしょう。

へそくりする社長って、なんか笑えるわ!

へそくり社長、めっちゃ共感できるわ!

へそくりって、昔はみんなやってたわよ。

森繁久彌追悼特集上映:多様な魅力

森繁久彌さんの追悼特集上映、私もぜひ観に行きたいです。

🔖 関連記事の要約!神阪四郎の犯罪
神阪四郎の犯罪

✅ 「神阪四郎の犯罪」は、編集長である神阪四郎氏が横領を隠蔽するために、関係があった被害者梅原千代を偽装心中に利用しようとした事件を描いた心理社会劇です。

✅ 検事の冒頭陳述、評論家今村徹雄、編集室の永井さち子、妻の神阪雅子、歌手の戸川智子といった証言が、神阪氏の真実を巡って錯綜します。

✅ 梅原千代の日記も存在しますが、その内容が神阪氏の真実に迫っているのかは疑問視され、事件の真相は曖昧なまま幕を閉じます。

さらに読む ⇒ 日活 日活出典/画像元: https://www.nikkatsu.com/movie/20097.html

それぞれの作品が、森繁久彌さんの多様な魅力を見せてくれる、素晴らしい特集上映だったと思います。

森繁久彌追悼特集上映で鑑賞した3作品は、それぞれ異なる魅力を持つ作品でした。『三等重役』は、山本嘉次郎、井手俊郎による脚本でテンポの良い展開が魅力です。南海産業という会社を舞台に、社長の座を巡る騒動や日常の出来事が軽快に描かれ、森繁久彌の演技が光ります。『いらっしゃいませ』は、東京の大デパートを舞台に、絵描きから転向した主人公が周囲の女性に気に入られながらも、結局元の鞘に収まる様子をコミカルに描いた作品です。高度経済成長期の日本のサラリーマンの姿が垣間見え、それぞれのエピソードのおもしろさと、主人公を見送る女性たちの哀愁感が印象的です。『神阪四郎の犯罪』は、シリアスな法廷劇で、会社の金を横領した主人公が法廷で自身の過去を証言されます。複数の証言者の言葉によって、神阪四郎の人間像は複雑に描かれ、真実は曖昧なまま物語は進んでいきます。森繁久彌の迫真の演技が光るクライマックスの陳述は、作品全体のテーマを明確にし、深みのある物語に仕上がっています。3作品とも、森繁久彌の演技力と当時の日本の社会状況を垣間見れる作品で、見応えのある作品でした。

森繁久彌さんの映画、見たことないねんけど、どんな感じなん?

シリアスな作品もあるんやね!

森繁久彌さんって、よく刑事役やってたわよね?

森繁久彌追悼特集上映:鑑賞者の感想

森繁久彌さんの文芸映画の特集上映、興味深いですね。

🔖 関連記事の要約!森繁久彌出演の文芸映画集めた特集上映、「夫婦善哉」「神阪四郎の犯罪」など20本
森繁久彌出演の文芸映画集めた特集上映、「夫婦善哉」「神阪四郎の犯罪」など20本

✅ 11月21日から神保町シアターにて、森繁久弥の出演作から文学作品を原作とした20本の映画を集めた「森繁久彌の文芸映画大全──モリシゲ流、文学と映画のススメ」が開催されます。

✅ 上映作品には、「夫婦善哉」や「神阪四郎の犯罪」、「暖簾」といった名作に加え、「負ケラレマセン勝ツマデハ」や「珍品堂主人」といった喜劇も含まれています。

✅ チケットは当日券のみで、1作品1200円です。上映スケジュールは神保町シアターの公式サイトで確認できます。

さらに読む ⇒ナタリー - ポップカルチャーのニュースサイトナタリー - ポップカルチャーのニュースサイト出典/画像元: https://natalie.mu/eiga/news/166120

森繁久彌さんの、コメディからシリアスまで幅広い演技力を感じることができました。

森繁久彌追悼特集上映で鑑賞した3作品についての感想です。『三等重役』は山本嘉次郎、井手俊郎による脚本でテンポよく展開するコメディ。南海産業を舞台に、社長の座を手に入れた主人公が様々な事件に巻き込まれる様子がコミカルに描かれ、森繁久彌の名演技が光ります。『いらっしゃいませ』は、東京の大デパートを舞台に、絵描きから転身した主人公が女性たちに振り回される様子を描いた作品。高度経済成長期のサラリーマンの姿がさりげなく描かれていますが、展開が散漫でまとまりに欠ける印象です。『神阪四郎の犯罪』はシリアスな法廷劇。会社の金を横領した主人公神阪四郎が法廷で4人の証人から様々な証言を受ける中で、真相は明らかになりません。神阪四郎の最後の陳述は、すべての真実が虚構であるかのような印象を与え、物語に深みを与えています。3作品を通して、森繁久彌の演技力と、高度経済成長期の日本の社会を描いた脚本の面白さを感じることができました。それぞれに個性的な作品で、最後まで飽きさせない魅力があります。

森繁久彌の映画、全部観たいわ!

神保町シアターって、レトロな雰囲気でいいね!

森繁久彌さんの映画、昔はよく見たわ。

『三等重役』:戦後日本のサラリーマン像

『三等重役』は、戦後日本のサラリーマン像を象徴する作品と言えるかもしれません。

🔖 関連記事の要約!三等重役』(1952:春原政久)
三等重役』(1952:春原政久)

✅ 『三等重役』は、河村黎吉演じるサラリーマン社長が、会社の様々な問題に対処していく様子を描いた喜劇映画です。

✅ 森繁久彌演じる人事課長との掛け合いが面白く、サラリーマンの哀歓をコミカルに表現することで、大ヒットし、後の『社長』シリーズへと繋がりました。

✅ 妻たちのへそくり防止策として、ボーナスを社長が直接妻たちに渡すという奇想天外なアイデアや、森繁久彌と河村黎吉の息の合った演技も見どころとなっています。

さらに読む ⇒ぴくちゃあ通信ぴくちゃあ通信出典/画像元: https://hati8823.hatenablog.com/entry/2022/11/08/220000

森繁久彌さんと河村黎吉さんの掛け合いが、本当に面白くて印象に残っています。

「三等重役」は、戦後間もない時代のサラリーマンを描いた作品で、南海産業という企業の社長と人事課長が会社内の様々な問題に立ち向かう物語です。森繁久彌主演の「社長シリーズ」の原点となる作品で、公職追放されたオーナーの復帰に怯えるサラリーマン社長の姿や、戦後の社会状況を反映したエピソードが描かれています。当時のサラリーマンの暮らしや社会状況を知る貴重な資料として、現代においても価値のある作品と言えるでしょう。また、コメディ要素もふんだんに盛り込まれており、ほのぼのとした雰囲気で楽しめます。

『三等重役』って、どんな話なん?

へそくりって、今も昔もみんな気になるもんね!

昔は、サラリーマンって、みんな苦労してたのよ。

森繁久彌さんの『社長シリーズ』は、戦後日本の社会状況やサラリーマンの暮らしを、ユーモラスに描いた作品群と言えるでしょう。

🚩 結論!

💡 森繁久彌は、映画界を代表するコメディアンの一人

💡 『社長シリーズ』は、戦後日本の高度経済成長期を背景にした喜劇映画シリーズ

💡 シリーズを通して、森繁久彌演じる社長の個性と、周りの個性的な社員たちの関係性が描かれる