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犠打は本当に非効率?セイバーメトリクスが語る真実犠打の得点力とは!?

犠打は本当に非効率?セイバーメトリクスが語る真実犠打の得点力とは!?
📘 この記事で分かる事!

💡 犠打は、チームの得点力を減らす非効率な作戦である可能性がある

💡 送りバントは、得点期待値を下げる可能性がある

💡 高校野球でも、犠打の有効性について議論が起こっている

それでは、犠打の是非について詳しく見ていきましょう。

犠打の非効率性:定量的な評価

それでは、犠打の非効率性について詳しく見ていきましょう。

🔖 関連記事の要約!打ったほうがよい打者にバントさせることでどれだけ損をしているのか
打ったほうがよい打者にバントさせることでどれだけ損をしているのか

✅ 記事では、犠打がチームの得点を減らす非効率的な作戦であることを、セイバーメトリクスに基づいて説明しています。

✅ 具体的に、犠打の得点力をwOBAを用いて算出し、打者の得点力との比較によって犠打による得点減を推定しています。

✅ さらに、犠打の併殺回避能力も考慮することで、より実態に即した犠打の評価を行うための計算方法も提示しています。

さらに読む ⇒1.02 Essence of Baseball1.02 Essence of Baseball出典/画像元: https://1point02.jp/op/gnav/column/bs/column.aspx?cid=53934

犠打の得点力が、打者よりも低いというのは衝撃的ですね。

犠打は、チームの得点力を減らす非効率な作戦であるというセイバーメトリクスの提唱に基づき、NPB各球団が犠打によってどれだけ自チームの得点力を削いでしまったかを定量的に評価します。犠打の得点力をwOBAという指標を用いて算出すると、犠打のwOBAは0.154となり、今季の規定打席到達打者で最も打力の低い長岡秀樹選手のwOBAである0.259や、セ・リーグ投手のwOBAである0.144と比較すると、犠打の得点力の低さが明らかになります。さらに、犠打の併殺回避能力を考慮するために、併殺打のwOBAを求め、打者のwOBAに含めることで、より実態に即した犠打評価を行います。併殺打のwOBAは-0.609となり、犠打の併殺回避能力を加味した評価では、近藤選手の場合、1打席あたりの得点損失は0.171点に減少します。これらの計算をチーム単位で行うことで、各球団が犠打によってどれだけ得点を減らしてしまったかを算出し、犠打の非効率性を定量的に評価することが可能になります。

えー、まじ!?バントとか、めっちゃ損やん!

なるほどね、確かに犠打は非効率かもしれんけど、チーム戦略としては重要なんじゃなかろうか?

最近の若いもんは、バントのこと知らんのかね?昔は、バントは美学だったんだよ!

送りバントのジレンマ:合理性と非合理性

送りバントは、得点期待値を下げるということがわかりましたね。

🔖 関連記事の要約!セイバーメトリクス】送りバントは本当に無意味?なぜ高校野球は送りバントが多いの?

公開日:2021/02/27

セイバーメトリクス】送りバントは本当に無意味?なぜ高校野球は送りバントが多いの?

✅ セイバーメトリクスでは送りバントは得点期待値を下げ、得点確率も下げると結論づけています。これは、送りバントによってアウトカウントが進むことで、その後の得点機会が減ってしまうためです。

✅ 特に、送りバントは得点期待値を下げることが明らかになっており、データ分析の結果、ほとんどの状況で送りバントをするよりも、打者に打たせる方が得点が期待できることが示されています。

✅ セイバーメトリクスでは、送りバントを行うべき損益分岐点が打率1割であるとされています。つまり、打率が1割以上の打者は、送りバントをしなくても十分な得点力を持っているため、送りバントは不要ということになります。

さらに読む ⇒三球入魂三球入魂出典/画像元: https://baseball.fx-education.com/column/bunt-useless/

送りバントは、得点期待値を下げるということがわかりましたが、状況によっては有効な場合もあるという解釈でよろしいでしょうか?

2014年から2018年のNPBデータから、送りバントは得点期待値や得点確率を下げることが多く、有効な戦術とは言い難いことがわかります。特に、無死一塁からの送りバントは、期待できる得点を下げてしまうだけでなく、1点を取る確率も下げてしまいます。しかし、無死二塁または無死一、二塁からのバントは、得点確率をわずかに上げる可能性があります。送りバントが過剰評価されるのは、人間心理の不合理が影響していると考えられます。人間は失うことに対して必要以上の嫌悪感を抱き、最悪のシナリオを避けたいという傾向があるためです。一方で、送りバントは、守備側の戦略を崩したり、駆け引きの材料として活用することで、攻撃の選択肢の一つとして有効な場合があります。つまり、送りバントは、極端に打力の乏しい打者を除けば、合理的でも手堅いともいいがたい作戦であり、攻撃の定番ではなく、奇策として使うべきです。

マジかー、バントって、損するだけやんなー。

うーん、確かにバントは、リスクもあるけど、状況によっては有効だと思うばい。

バントは、状況次第よ!若いもんは、経験が足りんのよ。

送りバントの是非:統計と戦略の狭間

送りバントの是非について、統計と戦略という2つの側面から分析しましたね。

🔖 関連記事の要約!バントが意味のない戦術と言われる理由をデータで詳しく解説

公開日:2022/07/25

バントが意味のない戦術と言われる理由をデータで詳しく解説

✅ この記事は、セイバーメトリクスの観点から犠牲バントが有効な戦術かどうかを分析しています。

✅ データに基づくと、犠牲バントは得点期待値を下げ、むしろ得点のチャンスを減らすことが明らかになっています。

✅ ただし、9回裏で1点が必要ななど、特定の状況下では、犠牲バントが得点確率を上げる場合もあると結論付けています。

さらに読む ⇒SIKETA WORKSIKETA WORK出典/画像元: https://siketa.work/bunt/

送りバントは、状況によって有効な場合もある、という結論ですね。

送りバントは、得点確率と期待得点を低下させる非効率的な作戦であるという主張がされている一方で、プロ野球界では依然として多く見られます。統計学的に見ると、送りバントは得点確率と期待得点の両方を下げることが示されています。特に、ノーアウト1塁の場合、送りバントはヒッティングよりも得点確率と期待得点が低くなっています。これは、バントが成功するとは限らないことや、ゲッツーなどの最悪のシナリオを招く可能性があることによるものです。しかし、相手守備陣にバントを意識させ、野手の間を抜ける確率を高めるという戦略的な効果も存在します。また、打率が低い投手など、特定の状況では送りバントが有効な場合があります。送りバントの是非は、状況や選手の能力によって判断する必要があり、一概に非効率であると断言することはできません。それでも、送りバントが非効率であるという統計的な根拠は十分にあるため、今後さらに減少していく可能性も考えられます。

あー、結局は、バントもアリってことかー。

うーん、難しいね。結局は、状況次第ってことかな?

バントは、状況次第よ!でも、最近は、バントよりホームランの方がええわ!

低迷する得点力と増加する犠打:現状分析

プロ野球の現状と犠打の関係について、詳しく見ていきましょう。

🔖 関連記事の要約!プロ野球バント戦線に異変? ヤクルトと巨人は大幅増、昨季2位のDeNAは激減 楽天が驚異の成功率90%超(SPAIA)
プロ野球バント戦線に異変? ヤクルトと巨人は大幅増、昨季2位のDeNAは激減 楽天が驚異の成功率90%超(SPAIA)

✅ 今季のプロ野球では、投高打低の影響で小技戦術、特に送りバントの重要性が高まっている。

✅ ヤクルトと巨人は、近年の送りバント企図数を大幅に増加させており、特に巨人は阿部監督の戦略方針としてバントを重視していることが伺える。

✅ 一方、DeNAは送りバント企図数を大幅に削減し、下位打線での得点圏進塁を優先する戦術を採用している。興味深いのは、バントが多いヤクルトと少ないDeNAのチーム得点がほぼ同じである点で、今後の戦術の行方が注目される。

さらに読む ⇒goo ニュースgoo ニュース出典/画像元: https://news.goo.ne.jp/article/spaia/sports/spaia-column_27818.html

プロ野球の現状では、犠打の増加と得点力低迷の関係が懸念されますね。

2024年のプロ野球は、チーム得点や安打数が過去に比べて低迷しており、特にチーム安打数は過去5年間で最低レベルとなっています。一方で、送りバント数は増加傾向にあり、1試合当たりのチーム犠打数は過去5年間で最も多くなっています。過去のデータ分析から、送りバントは打率が1割以下の選手にのみ有効であることがわかっていますが、今年の犠打数上位には打率1割を超えている野手が多く、チーム得点を減らす悪循環に陥っている可能性があります。メジャーリーグでは、送りバントの数は日本と比べて圧倒的に少ないことから、日本のプロ野球における送りバント戦略の見直しが必要であると考えられます。

えー、まじ!?今の野球、バントばっかりやん!

うーん、確かにバント多くなったよね。でも、打てない選手が多いから、仕方ないのかな?

バントは、時代遅れよ!もっと、ホームラン打たんといかんのよ!

進化する野球戦略:高校野球における犠打の現状

高校野球における犠打の現状について、詳しく見ていきましょう。

🔖 関連記事の要約!新時代の野球①セイバーメトリクス犠牲バントは有効な作戦なのか!?〜

公開日:2023/02/20

新時代の野球①セイバーメトリクス犠牲バントは有効な作戦なのか!?〜

✅ 記事は、野球における「犠牲バント」の有効性について、得点期待値と得点確率というセイバーメトリクスの概念を用いて分析しています。

✅ 具体的には、犠牲バントによって無死一塁から一死二塁にすることは、得点期待値をむしろ下げる可能性があり、有効ではないという結論が導き出されています。

✅ 記事では、2021年シーズンNPBのデータに基づいた各状況別の得点期待値と得点確率の表が示されており、これらの数値を用いて犠牲バントの有効性を客観的に評価しています。

さらに読む ⇒ベイカルブログ Baseball Cultivationベイカルブログ Baseball Cultivation出典/画像元: https://baseball-cultivation.com/%E6%96%B0%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E9%87%8E%E7%90%83%E2%91%A0%E3%80%9C%E7%8A%A0%E7%89%B2%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%88%E3%81%AF%E6%9C%89%E5%8A%B9%E3%81%AA%E4%BD%9C%E6%88%A6%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%8B/

高校野球でも、データに基づいた戦略が重要になってきていることを改めて感じました。

送りバントの有効性について、近年、高校野球における打高投低傾向とセイバーメトリクスの研究結果から、その有効性が疑問視されていることがわかります。2005~2007年の甲子園大会では、無死1塁で送りバントを選択する割合が68.9%だったのに対し、2016~2017年には50.2%に減少しました。これは、打高投低の進展により、送りバントよりも積極的な攻撃が重視されるようになったためと考えられます。セイバーメトリクスの研究では、送りバントによる1死は得点期待値を減少させることが明らかになっており、送りバントが必ずしも有効な戦術ではないことを示しています。現代の高校野球においては、送りバントよりも打撃による得点獲得が重要視されており、送りバントの効果は以前ほど期待できない状況にあると言えるでしょう。

あー、でも、高校野球では、バントは伝統やんなー?

うーん、確かにバントは、伝統的な戦術だけど、データに基づいて判断すべきだよね。

バントは、昔は、当たり前だったのよ!でも、今は、時代が違うのよ!

このように、犠打は、得点力や得点期待値に大きな影響を与え、状況によってその有効性が大きく変わることを理解しました。

🚩 結論!

💡 犠打は、チームの得点力を減らす可能性がある

💡 送りバントは、得点期待値を下げる可能性がある

💡 高校野球でも、犠打の有効性について議論が起こっている