万城目学の受賞作『八月の御所グラウンド』はどんな作品?直木賞受賞の裏側とは!?
💡 第170回直木賞は『ともぐい』と『八月の御所グラウンド』が受賞
💡 万城目学さんは『鴨川ホルモー』でデビュー
💡 作家になるために2年間の無職生活を送った
それでは、万城目学さんの直木賞受賞作『八月の御所グラウンド』について詳しく見ていきましょう。
直木賞受賞と作家としての歩み
河﨑秋子さんの『ともぐい』は、自然と人間の複雑な関係を描いた作品ですね。
✅ 第170回直木賞は河﨑秋子さんの『ともぐい』と万城目学さんの『八月の御所グラウンド』が受賞しました。
✅ 河﨑秋子さんの『ともぐい』は明治後期の北海道の山を舞台に、猟師と熊、盲目の少女、そして時代の変化が複雑に絡み合い、人間の業と悲哀を描いた作品です。
✅ 万城目学さんの『八月の御所グラウンド』は、借金のカタに草野球大会に参加させられる大学生が、幻のような出会いを経て成長していく物語です。
さらに読む ⇒KAI-YOU.net | POP is Here .出典/画像元: https://kai-you.net/article/88664万城目学さんの作品は、独特の世界観が魅力的ですね。
万城目学さんは、2006年に『鴨川ホルモー』でデビューし、同作を含む多くの作品が映像化され話題を集めてきました。
2023年1月17日には、第170回直木賞を『八月の御所グラウンド』で受賞しました。
受賞会見では、直木賞受賞は予想外だったこと、デビュー作から16年ぶりに京都を舞台としたこと、そして非日常が入り込んでくる独特な世界観について語りました。
京都を舞台にしたデビュー作の成功により、その後は他の地域を舞台にした作品を執筆してきましたが、16年かけて再び京都を舞台に書くことを決意したそうです。
万城目学さんの作品の特徴である非日常が入り込む世界観について、選考委員の林真理子さんは「日常にふわっと入り込む非日常が、もう本当に巧みである」と評しました。
万城目学さんは、ストレートを投げても良いとアドバイスを受ける一方で、どうしても非日常が入ってしまうため、そのスタイルを貫いてきたとのこと。
そのため、今回の受賞は驚きであり、選考委員の評価について、さらに詳しく知りたいという気持ちもあるそうです。
へぇー、めっちゃ面白そうやん!読みたいわー!
作家への道:決意と戦略
就職氷河期に勇気ある決断をしたんですね。
✅ 万城目学さんは、就職氷河期に大手化学繊維メーカーを退職し、小説家になるため2年間の無職生活を送りました。
✅ 無職生活の戦略として、会社員時代に貯めた200万円と失業保険50万円で生活費を確保し、母親所有の雑居ビルに住み込み家賃を節約しました。
✅ 無職生活は経済的に苦労も多く、コピー代を節約するために一橋大学まで足を運び、結婚式のご祝儀を払うのもつらく、友人との再会も苦痛を感じた経験を語っています。
さらに読む ⇒本の話 ~読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア~出典/画像元: https://books.bunshun.jp/articles/-/5095夢を追うためには、資金計画も大切なんですね。
万城目学さんは、京都大学法学部卒業後、大手化学繊維メーカーに就職するも、わずか2年で退社し、小説家になる夢を追うため無職の道を選びました。
就職氷河期真っ只中の2000年に、エリート正社員の地位を捨て、先の見えない「闇」に飛び込んだ彼の決意と、夢を追うための戦略が描かれます。
会社員時代に貯めた200万円と失業保険50万円を元手に、母親の所有する物件に住み込み、月10万円で2年間、小説執筆に専念できる計画を立てました。
万城目さんは、夢を追うためには「ご飯を食べる」ための安定確保が重要だと説き、自身の経験を通して、パトロンがいない場合の資金計画の重要性を強調します。
退職を決意した最大の理由は、東京本社への異動内示でした。
経理マンとして何十年も働くことに疑問を感じ、「自分らしく生きる」ために、会社員生活2年3ヶ月で退職を決意しました。
え、まじ!?無職で2年も過ごしてたの!?すげー!
作家としての挑戦
作家デビュー前の経験が作品に活かされているんですね。
✅ 「バベル九朔」は、万城目学さんの「三分の一自伝的小説」であり、作家デビュー前に雑居ビルの管理人をしていた経験をベースにした物語である。
✅ 物語は、小説家志望の主人公が住む雑居ビル「バベル九朔」を舞台に、個性的なテナントたちとの交流や、ビルに起こる不可解な事件を通して展開していく。
✅ 「バベル九朔」というタイトルは、物語に登場する雑居ビルの名前であり、一見、ありふれた言葉だが、物語の展開に重要な意味を持つ。また、主人公の姓名も、ビル名と関連付けられた謎めいたものとなっている。
さらに読む ⇒書評まとめ読み!本の総合情報サイト | Book Bang -ブックバン-出典/画像元: https://www.bookbang.jp/review/article/511092万城目学さんの作品は、奇想天外なだけでなく、深いテーマも扱っているんですね。
万城目学氏は、デビュー作「鴨川ホルモー」が成功した後、そのイメージにとらわれ、独自の表現を試すことに苦労した。
当初は「鴨川ホルモー」のような奇想天外な作品を期待されたが、氏は、デビュー前から構想していた別の路線の作品を発表すると「万城目っぽくない」と評された。
氏は、自分自身の作風を、「2、4、6、8」のように綺麗に割り切れるものと捉え、「バベル九朔」のような割り切れない√2のような作品に挑戦した。
しかし、√2のような作品は読者に理解されにくく、文庫化の際に大幅に改稿した。
氏自身は、今後とも√2のような作品に挑戦していきたいと考えているが、ファンが離れてしまうことを懸念している。
へぇー、万城目学ってそんな苦労してたんだ。知らんかったわ。
自伝的エッセイ『べらぼうくん』
作家になるまでの道のりは、決して楽ではないんですね。
公開日:2019/12/12
✅ 万城目学さんは、約10年間小説家になることを夢見て努力を続け、30歳でデビューを果たした。その道のりをエッセイにまとめた『べらぼうくん』は、就職氷河期世代の経験や当時の時代感をリアルに描写している。
✅ 本書は、大学時代や就職後、そして無職期間の経験を通して、万城目さんがどのように小説家を目指し、努力し続けたのかを具体的に語っている。自身の経験を通して、当時の社会状況や世代間ギャップ、そして自身の心の変化を赤裸々に告白している。
✅ 万城目さんは、小説家になるまでの道のりは「一信九疑」の気持ちで、決して楽観視せず、常に努力を続け続けたことを強調している。そして、自身の経験を通して、小説家を目指す人へのメッセージとして、数え切れないほどの道がある中で、自分が選んだ道を諦めずに努力することの大切さを伝えている。
さらに読む ⇒婦人公論.jp|芸能、事件、体験告白……知りたいニュースがここに!出典/画像元: https://fujinkoron.jp/articles/-/1359?display=full万城目学さんのエッセイは、当時の時代背景がよくわかりますね。
『べらぼうくん』は、万城目学さんの自伝的エッセイで、連載を決めたきっかけは、編集者からの「デビュー前の万城目さん自身の話を書いたらどうでしょう」という提案でした。
万城目さんは、作家という夢を持ちながらも働くことを嫌う無職の男として、就職氷河期ど真ん中のロスジェネ世代が、自分たちの時代をどう生きていたかを書き記したい気持ちから、連載を決意しました。
エッセイは、大学受験に失敗し浪人時代から始まり、大阪での失敗談や予備校での読書体験、そして京都大学合格後の大学生活を描いています。
万城目さんは、浪人生時代に「なんで生きているのか」と自分を見つめ直し、読書に没頭した経験が作家になる上で大きな影響を与えたと語っています。
また、京都での大学生活は、小説『鴨川ホルモー』で描かれているほど楽しいものではなく、実際には学生生活の苦悩も存在したことを明かしています。
え、万城目学って浪人してたの!?意外やわー。
万城目学さんの作品は、私たちに夢と勇気を与えてくれますね。
💡 万城目学さんは、直木賞を受賞した作家
💡 『八月の御所グラウンド』は、友情や成長を描いた物語
💡 万城目学さんは、夢を諦めずに努力し続けた作家