【水俣病】水俣病"救済法"対象外の原告らを水俣病と認定 国やチッソに賠償命じる

大阪地方裁判所は、水俣病と認定されておらず、救済策の対象にもならなかった関西などに住む熊本と鹿児島出身の120人余りが、国と熊本県、それに原因企業に賠償を求めた裁判の判決で、原告全員を水俣病と認定し、国などに約3億5000万円の賠償を命じました。

住んでいた「地域」や「年代」で救済対象を区切った特別措置法の基準外でも水俣病にり患する可能性があるとする初めての司法判断で、全国4か所で起こされている集団訴訟で判決が言い渡されたのは初めてです。

大阪地方裁判所で行われた水俣病の集団訴訟の判決が言い渡され、原告側が勝訴しました。

判決では、国や熊本県の患者切り捨てを厳しく断罪し、水俣病の救済に向けて大きな一歩を踏み出すものとなりました。

原告側はこの判決を画期的なものと評価し、救済策の根本的転換を迫るものだと指摘しています。

水俣病で苦しむ人たちの訴えを全面的に認めた判決が下され、原告や支援者は喜びに沸いている。

この裁判は「ノーモア・ミナマタ第2次訴訟」と呼ばれ、水俣病被害者が救済を求めて起こしたものである。

過去の裁判によって国が敗訴したことで、救済措置の一つである「水俣病特措法」が成立したが、国は被害を小さく抑えるために制限を設けているように見える。

大阪地裁は27日、関西などに住む水俣病患者128人全員について、水俣病に罹患していると認定し、国や熊本県、企業に慰謝料を支払うよう命じた。

訴えを起こしていた128人は、熊本県と鹿児島県出身で現在は関西などに住んでおり、水俣病と診断されたり症状があったりするのに救済されないことに不当を訴えていた。

水俣病は1956年に初めて公式に確認され、熊本県水俣市の「チッソ」の工場がメチル水銀を海に流して魚介類が汚染され、それを食べた人々に健康被害が出た病気である。

２００４年の最高裁判所の判決によって、水俣病の被害者が広範囲に認定され、国と県に賠償が命じられた。

この判決は、水俣病が発生した地域から関西に移り住んだ人たちが国や熊本県に賠償を求めて起こした裁判であり、最高裁は遅れた対策によって被害が拡大したことを指摘し、７０００万円余りの賠償を命じた。

また、判決では患者が他の地域に移り住んだ場合でも潜伏期間によって遅れて発症することがあるとして、行政が認定していなかった３７人の患者も水俣病の被害者と認められた。

この判決をきっかけに、国は２００９年に未認定患者に対する一時金支給などの救済策を始めた。

10年5月、水俣病被害者救済法に基づく新救済策が開始されました。

この救済策は、水俣病被害者に対する支援を目的としており、第2の政治決着として位置づけられています。

その後、13年4月には最高裁判決により、水俣病と判断する条件が緩やかに解釈されることとなりました。

しかし、特措法で救済されなかった未認定患者は、6月に熊本地裁に提訴するなど、まだ課題が残されています。

水俣病特別措置法は、症状がある人に一時金や医療費を支払うことを決めたが、救済の対象は一部地域の住民に限定されている。

申請期間も2年ほどであり、前田さんが住んでいた地域は対象外だったため、申請することができなかった。

国は水俣病問題に真剣に向き合い取り組むこととし、「水俣病問題の解決に向けた当面の取組について」を取りまとめ、関係地方公共団体や関係事業者と協力して、様々な施策を講ずることとしている。

大阪地裁を含む他の地裁でも同様の裁判が提訴されており、原告は合計で1700人以上にのぼります。

さらに、まだ自身の症状が水俣病と知らない人や、差別や偏見を恐れて名乗り出ていない人も相当数いると推定されています。

原告の多くは高齢であり、救済を受けるために残された時間は限られています。

27日の全面的勝訴の判決は、今後の訴訟にも影響を与える可能性があります。

被害者たちの意見を聞き、救済の枠組みを設けるなど、国は迅速に対応すべきです。

水俣病の原告らが提訴した理由は、対象から漏れたり、申請できなかったりしたためです。

水俣病は、汚染された魚介類を食べることなどでメチル水銀に曝露し、発症するとされています。

熊本県などは特措法に基づき、不知火海沿岸のうち、水俣湾周辺の一部地域に、68年までに1年以上住んだことなどを救済の要件としてきました。

水俣病被害者への救済措置の申請期限が7月31日に迫っている。

水俣病は、工場廃水に含まれるメチル水銀化合物に汚染された魚介類を食べたことで、手足の先がしびれるといった感覚障害や運動障害などが起こる中毒症だ。

公明新聞は、水俣病特措法に基づき、被害者への一時金や療養手当などを支給する救済措置を取っている。