【水俣病】水俣病"訴訟"の現在と未来～未認定患者の救済への道

水俣病はメチル水銀の影響によって引き起こされる病気であり、最初はその原因がわかっていませんでした。

このため、水俣病は伝染病やタタリと誤解され、患者は差別を受けることとなりました。

さらに、行政の積極的なPRの不足もあり、水俣病の誤解は解けず、患者たちは状況を恐れて病名を言い出せない状況に追い込まれました。

水俣病の認定患者は、医師が委員となる認定審査会で審査され、被害者と認められた人々です。

しかし、認定されなかった被害者たちは裁判を起こし、最高裁判決で水俣病の基準が緩やかになる判断が確定しました。

水俣病の主な症状は、感覚障害、運動失調、求心性視野狭窄などです。

感覚障害では触られていることや熱さ冷たさの感覚が低下し、手足の先端に行くほど強くなります。

運動失調では手のふるえや歩くときのふらつき、細かい動作の制御がうまくできなくなります。

求心性視野狭窄では視野が狭くなり、筒を通して物を見るような状態になります。

その他にも手足・口周囲のしびれ感、耳鳴り、難聴、味覚障害、言葉の発語困難など多様な症状があります。

水俣病特別措置法に基づく救済策の線引きから外れた128人が、国や熊本県、チッソに対して計5億7600万円の損害賠償を求めた「ノーモア・ミナマタ近畿第2次訴訟」の判決が大阪地裁で行われた。

水俣病は戦後日本の4大公害病の一つであり、公式確認から67年を経ても終わっていない。

原告全員が水俣病を発症し得る程度にメチル水銀を摂取したと推認できると指摘し、原告の症状は水俣病以外に説明ができないと判断した。

原告弁護団は判決の同日に声明を発表し、「全面勝訴」と評価した上で、「高齢化する原告らの早期救済に向けて直ちに解決協議に応じるよう強く求める」と訴えた。

一審で患者と認められた原告団長の佐藤英樹さん（65）については、胎児期と乳幼児期に高濃度のメチル水銀に曝露したと認定された。

しかし、感覚障害は水俣病に起因するものではないと結論付けられた。

水俣病の症状に苦しむ人たちが、特措法の救済から漏れたため、国や熊本県、原因企業の「チッソ」を訴える裁判が行われた。

大阪地裁は、原告128人全員が水俣病に罹患していると認め、被告3者に賠償を命じる判決を出した。

しかし、国と熊本県はこの判決に不服であり、控訴することを決定した。

被害者や原告は高齢化しており、裁判途中で亡くなる人もいるため、時間の猶予はないと訴えている。

大阪地裁は9月27日の判決で、原告らの症状の原因は、熊本や鹿児島に住んでいた時期に魚介類を継続的に食べ、メチル水銀を摂取したこと以外では説明できないとして、「原告全員が水俣病に罹患している」と認定した。

福島みずほ党首は、水俣病が公式確認されてから67年経っても解決していない現状を指摘し、国に対して水俣病被害者の根本的な救済を求めた。

社民党は未認定患者の全面救済に向けて全力を尽くす覚悟を持っている。

未認定患者でつくる水俣病被害者互助会の8人が、国と熊本県、原因企業チッソに計約3億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が福岡高裁で行われた。

裁判長は、原告らが訴える水俣病特有の感覚障害について「メチル水銀曝露（ばくろ）（摂取）との因果関係は明らかではない」と判断し、8人全員の請求を退けた。

原告側は上告する方針を示している。

水俣病の認定制度は、昭和44年12月15日に「公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法」が公布されたことにより始まりました。

その後、昭和49年9月1日に「公害健康被害の補償等に関する法律」が施行され、現在も被害者の認定業務が行われています。

認定申請をすると、県による疫学調査と医学的検査が行われ、認定審査会の審査の上、知事による認定または非該当の処分が行われます。

認定された方は、公健法による補償を受けることができますが、希望する方はチッソとの補償協定に基づく補償も受けることができます。