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【朝井リョウ】朝井リョウの小説「"正欲"」のネタバレと感想を解説!!書店員さんからの声も紹介



ライターのMAIKOです。今回は、朝井リョウの小説「’正欲’」のネタバレと感想を解説します。さらに、書店員さんからの声も紹介します。



「正欲」とは何を指すのか?

「正欲」の意味とは?

「正欲」はこの小説が主張したかったことの本質を表している。

結果的に卑劣な児童ポルノ事件として報道され、社会的に大きな非難を浴びます。

登場人物を知る者たちは、その人をよく知らないのにもかかわらず、犯罪者としての横顔を一方的に指摘します。

「多様性」が叫ばれる現代において、犯罪を起こした彼らのことは全て排除する声をあげていくのです。

タイトル「正欲」の意味とは?

|小説が主張したかった本質が見えてくる「正欲」の意味を知ると、この小説が主張したかったことの本質が見えてきます。

こちらもネタバレを含むので、作品を全て読んだ方だけチェックしてみてください。

ネタバレしていいから「正欲」の意味について知りたい方はこちらをクリック!

前述した事件では、被疑者への理解者の声も出てきます。

その一人が佳道と同じ性癖を理解しあって繋がった妻の夏月です。

しかし彼女の声は世間には届きません。

取り調べの最中なので、本人にすら伝わりようがないのです。

ただし調査にあたった検事の啓喜はそこで二人の会話に違和感を抱きます。

自分は本当に事件の本質を捉えているのか?

自分の確固とした「正義感」が揺らぐ瞬間が訪れます。

多様性と言いつつも、それは自分たちがまともな感覚であると肯定したいだけで、どうしようもない、対話すらできる余地のないものはやはり排除されてします…。

そんな違和感や矛盾に啓喜は気づいたのです。

このように自分がまともな感覚だと思い込み、さらにはそれを主張したくなる気持ちをこの小説では「正欲」だと定義しています。

「正欲」の正体に気づいた時、読者は自分の価値観や考え方を見つめ直し、思わずゾッとしてしまうことでしょう。

「多様性」を認める世の中への矛盾【「正欲」の考察まとめ】しかし、なぜ今回のような事件や世間の認識が起きてしまうのか。

作者の朝井リョウさんはその点をしっかり記述しています。

ネタバレしていいから「正欲」の詳しい考察について知りたい方はこちらをクリック!

みんな、不安だったのだ。

詳しくみる ⇒参照元: 3分で分かる「正欲」のあらすじ&ネタバレ解説・感想・考察まと...

物語の指摘内容

この物語は何を指摘しているのか?

社会が同じ性欲を持つ人同士の連帯で成り立っていることを指摘している。

『正欲』朝井リョウ・著は、多くの読者(=マジョリティ)がいかに自分が想像しうる”自分と違う”の範囲内でマジョリティを定義しているかを、身をもって感じさせる構成になっていると感じました。

物語の中で「家族」はとても特徴的な言葉で説明されており、社会の最小単位である「家族」は異性への恋愛感情を根拠にした関係であり、社会を支える根幹に「性欲」があることを示唆しています。

また、作品は社会が同じ性欲を持つ人同士の連帯で成り立っていることを指摘し、異なる性欲を持つ人は社会から外れた存在とみなされることを示唆しています。

詳しくみる ⇒参照元: 【考察】『正欲』(朝井リョウ・作)を読んで考えたこと

朝井リョウの小説『正欲』の特徴

朝井リョウの小説『正欲』の特徴は何ですか?

健全で愚直な愛らしさ・おめでたさを冷静な眼差しで芯から貫いている。

朝井リョウの小説『正欲』は、健全で愚直な愛らしさ・おめでたさを冷静な眼差しで芯から貫いています。

冒頭の2行の構造が特に強烈で、住む世界の違いを痛いほど残酷に伝えています。

また、「礼賛」という表現が絶妙で、ダイバーシティについての考え方を巧妙に表現しています。

詳しくみる ⇒参照元: 朝井リョウ『正欲』あらすじと感想〜ネタバレほぼなし


希望以外のどんなものでもあり得なかった

この作品に対してシニカルに構えることをやめたとき、生きることについて、とんだ思い上がりばかりの希望を抱いている私にとって、その一途さは希望以外のどんなものでもあり得なかった。

希望以外のどんなものでもあり得なかった。

この小説は、個々がどう自分らしく生きていくのかは読者へ委ねられており、一方通行ではない色々な考えや提案が、世の中に現れて混じり合うことを願っている。

また、この作品に対してシニカルに構えることをやめたとき、生きることについて、とんだ思い上がりばかりの希望を抱いている私にとって、その一途さは希望以外のどんなものでもあり得なかったと感じられた。

詳しくみる ⇒参照元: 書店員さんからの声

八重子と大也の本音のぶつけ合いのエネルギー

八重子と大也の本音のぶつけ合いはどのようなエネルギーがあるのか?

八重子と大也の本音のぶつけ合いはお互いの主張にエネルギーがあり、圧倒されました。

小説「正欲」の中で、八重子と大也の本音のぶつけ合いはお互いの主張にエネルギーがあり、圧倒されるほどの力強さがあります。

八重子は男性に恐怖心を抱きながらも恋をするという複雑な感情を抱いており、大也に対して理解者になりたいと接近します。

一方、大也は蛇口から水が吹き出すのに興奮を覚えるなど、特異な感性を持っています。

しかし、八重子の押しつけや過干渉に対しては疎ましさを感じており、「多様性って言いながら一つの方向に俺らを導こうとするなよ」という言葉で八重子の存在を批判します。

八重子は「そうやって不幸でいるほうが、楽なんだよ」と指摘し、二人の間には理解しあえない溝が生まれます。

このぶつけ合いが最終的には児童ポルノ報道に繋がっていくのですが、もし大也が八重子に向き合うことができれば、事件は起こらなかったかもしれません。

このような問題に対して必要なのは「対話」であり、小説「正欲」は読者に対話を促すきっかけとなる作品です。

読者がこの作品と対話することで、世間の多様性の捉え方が変わってくる可能性があります。

詳しくみる ⇒参照元: 3分で分かる「正欲」のあらすじ&ネタバレ解説・感想・考察まと...

『正欲』のあらすじ

朝井リョウの新刊『正欲』のあらすじは?

『正欲』は朝井リョウの10周年記念作品で、感情を大きく揺さぶられる小説です。

朝井リョウの新刊『正欲』は、朝井リョウの10周年記念作品として書き下ろされた小説です。

2021年3月26日に発売され、読者の感情を大きく揺さぶるストーリーが展開されます。

朝井リョウは、2010年に『桐島、部活やめるってよ』でデビューし、2012年には『何者』で直木賞を受賞しました。

『正欲』は彼の作家生活の節目を飾る作品であり、注目を集めています。

読者はこの小説を通じて、朝井リョウの独特な世界観と感情的な描写に触れることができます。

詳しくみる ⇒参照元: 朝井リョウ『正欲』あらすじと感想〜ネタバレほぼなし


小説『正欲』の特徴

小説『正欲』の特徴は何ですか?

『正欲』は朝井リョウの作家生活10周年を記念して書き下ろされた新作の長編小説です。

小説『正欲』は朝井リョウの作家生活10周年を記念して書き下ろされた新作の長編小説です。

この小説は新潮社から出版されており、10周年記念作品として対になる長編小説『スター』も朝日新聞出版から別途発売されています。

オードリー若林さんのInstagramで紹介されたこともあり、注目を集めています。

小説のカバーには朝井リョウの引用があり、このフレーズが物語の核心を描いています。

詳しくみる ⇒参照元: 朝井リョウ『正欲』あらすじと感想〜ネタバレほぼなし

多様性の意味と重さを感じる理由

多様性という言葉の意味の広さと重さを感じたのはなぜですか?

多様性という言葉は人間の性格や生き方を簡単にくくれないと感じたからです。

夢の中で水ツアーをしていた主人公は、初めて夢に本を見る経験をし、衝撃を受ける。

最近よく聞く「多様性」という言葉について、自分の中での許容範囲だけの意味ではないかと疑問を抱く。

その疑問を深めるために、椿書房の渡部哩菜さんや三省堂書店の平山佳央理さんの意見を紹介する。

彼らは、「多様性」の意味の広さと重さを強調し、人間の性格や生き方を簡単にくくれないと述べている。

朝井リョウさんの作品についても絶賛され、普通を生きることとはみ出した異質な存在との対比が描かれている。

主人公は頭の中にトゲが刺さったような感覚を抱き、自分の受け取り方や想像力について問い質すれば良かったと思う。

詳しくみる ⇒参照元: 書店員さんからの声