若者の酒離れの原因とは...？なぜ若者たちはお酒を飲まないのか

SNSの普及によってお酒のネガティブな側面が拡散され、飲酒が余暇の娯楽として捉えられるようになったことが若者がアルコールから離れている背景として考えられる。

しかし、お酒が若者に価値体験を提供できれば、まだまだ盛り返す可能性もある。

最近、お酒に対してネガティブな感情を抱く若者が増えているようです。

お酒の度を過ぎた飲み方はトラブルの原因になることもありますが、お酒を適度に楽しむことは体に良い効果もあります。

しかし、なぜ若者たちがお酒に対してネガティブな感情を抱くようになっているのかは明確ではありません。

若者の酒離れの要因は、お酒を飲んだときのマイナス面が若者にとって際立っていることです。

お酒を飲むことは本来、気持ちをリラックスさせたり、食事を楽しむことができるポジティブな体験ですが、若い人たちにはそれが伝わらないのです。

楽しい気分が続き、翌日の辛さがないお酒があれば、若い世代にも受け入れられ、お酒を楽しいものと認識することができるでしょう。

若者を中心に飲酒機会は減っており、若者世代がお酒を飲まない理由は健康に悪いと感じるからです。

特にコロナ禍で飲み会自粛により、その傾向は強まっています。

最近、若者の酒離れが進んでいる。

20代の男性のおよそ4割がお酒を飲まない、飲めないという調査結果もある。

若者の酒離れにはいくつかの理由が考えられるが、その一つは「お金のかかることを極力避けたい」という消費意欲の低下である。

お酒を飲むことはお金がかかるという思考があり、高いお金を払ってまでお酒を飲みたいとは思わない若者が多いようだ。

日本人の約6割はお酒をたくさん飲んでも大丈夫だし、実際ビールが好きで、にもかかわらず｢飲まない人｣が増えていて、その結果｢よく飲む人｣は20代男性では16％、30代で25％と少数派になっているという現象が、若者の酒離れの正体ではないかとう説です。

若者は飲みニケーションは苦手といいますが、コミュニケーションに関しては、中高年世代と比較すればきわめてすぐれた世代です。

特に仲間内であれば、リアルとSNSのコミュニケーションを駆使して、20年前の世代とは比較にならないぐらい深く広く、周囲とのコミュニケーションをとる傾向があります。

そしてお酒を飲みすぎると、そのコミュニケーションの生産性が下がってしまうのです。

若者のアルコール離れの実態について、改めて消費実態を見てみると、20代男性の週に三回以上飲酒する割合は14.5％、20代女性は6.5％であり、全体平均の42.4％(男性)、15.0％(女性)のそれぞれ3分の1程度であることがわかる。

また、昔の「若者」と今の「若者」を比較すると、若者の酒類消費量は減少傾向にあることが分かる。

若者のアルコール飲料への欲望が弱いのは、上司や先輩との飲み会が少なくなり、組織や人間に対する信頼や期待のあり方が上の世代と異なるため、上司や先輩が模倣の対象にならないからだと推測される。

若者離れ現象が起こっている商品サービスの領域では、バブル崩壊後の世代の模倣の対象が変わり、欲望そのものが退潮していることが考えられる。

消費者が商品サービスに抱く「欲望」を知ることが、買われる方法の鍵である。

お酒を飲んだ後のコンディションの悪化が翌日以降まで続くため、若者の中にはお酒を控える意見が見られる。

お酒を飲むと頭が使い物にならなくなり、生産的な活動ができなくなるため、翌日の仕事や勉強、運動に影響が出ることが多い。

また、深酒をすると起床時間が遅くなり、お昼頃になることもある。

このような理由から、若者の中にはお酒を控える人もいるのだろう。

現代では、ネットを通じて同じ趣味や思考の人と繋がることができるため、友人との飲み会が減少している。

若者の中にはお酒を飲むことに対して嫌悪感を抱く人が増えており、その理由として他人の酔った姿を見て自分もそうなるのではないかという不安や、お酒を飲んだ自分に対してネガティブな思考を持つ人がいることが挙げられる。

20代、30代の酒の消費量が減少している理由について、経営コンサルタントの鈴木貴博さんは、酒の味が苦手というのは少数派で、酒を嫌いになったわけではないと述べています。

彼によれば、アルコールを飲むと生産性が著しく下がるという見方が、行動変化の背景にある可能性があります。

また、若者の酒離れについては、ニッセイ基礎研究所の上席研究員の久我尚子さんが2020年のレポートで興味深い分析を行っています。

若者の健康観は、健康を目的とした行動には消極的であるが、体験型の健康エンタメには積極的であると推測される。

また、若者のアルコール離れについては、肝機能などの心配よりも飲み会などの飲酒体験と他の体験を比較して、飲まないという判断が下されていると考えられる。

若者にとってお酒は必要な存在ではなく、他の娯楽と同様に選択肢の一つであるということが重要である。