いじめと不登校に関する裁判事例と損害賠償請求の方法

いじめによる損害賠償として何をいくら請求できるかについて説明します。

いじめにより不登校や転校、ケガ、精神病、死亡などの被害が生じた場合、加害者やその保護者、学校や教員に対して損害賠償を求めることが可能です。

具体的な請求内容や手続きについては、別の記事で詳しく説明しています。

一般的には、いじめによる損害賠償の内訳として、いくつかの項目があります。

これらの項目に基づいて示談交渉や裁判で請求することができます。

正しい情報に基づいた対処方法を考えるために、被害に応じて請求できる項目を理解しておくことが重要です。

いじめの慰謝料算定には、いじめに遭っていた期間、回数、頻度、態様、加害者と被害者の関係などが考慮されます。

さらに、治療に要した期間や内容、不登校の期間なども加味されて判断されます。

堺市立小学校に通っていた女の子がいじめを受けて不登校になり、堺市などを相手に損害賠償を求める裁判が始まった。

女の子の手紙や母親のインタビューからは、いじめによって女の子がどれほど追い詰められていたかが明らかになっている。

母親はなぜ子どもが死を考えるほど追い詰められたのかを訴え、裁判では女の子の気持ちを尊重することが決められた。

いじめによる被害者の治療費や通院費用は、加害者に請求することができます。

治療費には、いじめによって負ったケガや心療内科などへの通院に必要な費用が含まれます。

また、通院のためには保護者が同伴することも通常必要であり、同伴に伴う損害（会社を休業するなど）についても請求できます。

さらに、通院のための交通費も請求することができます。

これらの請求のためには、病院の診断書や領収書、請求書などの証拠を残しておくことが重要です。

いじめ被害に遭った際の学校の対応については、これが不十分であると感じる保護者も多いところです。

その問題点については別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。

また、いじめについて学校の責任を問えないかも別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。

いじめ被害の対処のために弁護士を依頼することは、交渉や示談書の作成などのサポートを受けることができるため、メリットがあります。

また、弁護士費用は加害者による不法行為のために必要になったものであり、一部または全部を求めることが可能です。

いじめ問題での損害賠償請求を検討している場合は、専門家弁護士に相談することをお勧めします。

いじめ防止法の「重大事態」 認定しないケースが全国で頻発している。

教育現場が思い込みや無知によって法にのっとった対応を怠ることは許されないことを明確に示した。

いじめ防止法は大津市の市立中学校でいじめられた男子生徒が自殺した事件をきっかけに、2013年に施行された。

全国の教職員に実施されたアンケート調査では、いじめ防止法のガイドラインに対して「必ず従うべきだ」と回答した教職員は6割にとどまりました。

一方、4割弱の教職員は「内容による」と答えました。

この結果から、いじめ防止法のガイドラインに対する教職員の意見は分かれていることがわかります。

母親が強く訴えるのは、娘が受けてきた数々のいじめをめぐる、学校や市教委のあまりにもずさんな対応です。

母親は学校に原因の調査を求めましたが、学校からは自作自演じゃないのかとか、犯人が見つからない限り、うちの子どもも容疑者なんだ、みたいな、そんな言葉を受けていました。

母親は市の対応にも不満を抱いており、謝罪はされたものの、納得いく対応がなされなかったと述べています。

学校におけるいじめは、大きな社会問題のひとつです。

子どもがいじめを受けている場合には、保護者としては、いじめの加害者や学校などに対して慰謝料などの法的責任を追及したいと考えることもあるでしょう。

その際には、いじめに関する過去の裁判例などを知っておくことが有益です。

今回は、いじめに対する法的対応について解説します。

いじめが増加する背景やいじめに関する裁判例としてどのようなものがあるのかを説明します。

いじめの認知件数が増加していることは、児童生徒の側からSOSを発しやすい環境になってきていることや、学校現場においてもいじめを放置することなく積極的に問題解決に向けて取り組んでいることを表しているともとれます。

そのため、いじめの認知件数が増加していること自体を悲観するのではなく、いじめの初期段階で認知をして早期に適切な対策を講じることの必要性を認識することが重要といえるでしょう。

公立中学校における教員には、学校における教育活動およびこれに密接に関連する生活関係における生徒の安全の確保に配慮すべき義務があります。

特に、生徒の生命、身体、精神、財産等に大きな危害が及ぶおそれがあるようなときには、そのような危害の現実化を未然に防止するため、その事態に応じた適切な措置を講じるべき一般的な義務があります。

裁判所は、中学生の間で行われるからかいや言葉によるおどし、嘲笑・悪口、仲間はずれなどの有形力を伴わない行為は、それ自体では不法行為に当たらないと判断しました。

また、たたく・殴る・蹴るなどの暴行行為も、態様や程度によっては必ずしも不法行為に当たらない場合もあると述べました。

しかし、これらの行為が特定の生徒に対して長期間にわたって執拗に繰り返され、被害生徒に肉体的・精神的な苦痛を与える場合には、不法行為に当たると判断しました。

いじめ防止対策推進法により、学校にはいじめを防止するための措置を取る義務が課されています。

具体的な対策としては、いじめっ子を別室に移動させる、クラス替え時の配慮、保健室登校や授業サポーターの配置などが挙げられます。

また、学校は状況を継続的に報告する義務もあります。

いじめによる損害や責任を明らかにするためには、裁判を起こすことも可能ですが、時間と負担がかかる可能性があります。

そのため、民事調停を利用するのが一番理想的です。

また、学校の管理下におけるケガの治療にかかる医療費や災害共済給付が受けられます。