サンリオの自由なIP戦略とは...？世代を超えて選ばれる理由

サンリオは長い歴史を持つキャラクター企業であり、幅広い年齢層に愛され続けている。

同社は「ライフタイムジャーニー」という手段を使い、顧客との長期的なエンゲージメントを築くことに注力している。

サンリオのキャラクターは商品やサービスを通じて人と人をつなぎ、関係性をより良くすることを企業理念として掲げている。

サンリオは、ハローキティやぐでたまなどの人気キャラクターを開発し、約200の店舗で関連商品を販売している。

同社のビジネス戦略は、キャラクターを育てることと顧客との接点を生み出すことが重要である。

キャラクターを育てるためには、顧客に支持されることが重要であり、リアルとデジタルの双方でアプローチしている。

顧客との接点を多角的に持ち、長期的な顧客関係を築くことを目指している。

田口氏は、キャラクターと顧客との関係は時期によって変化し、特に国内の女性は幼少期にサンリオキャラクターに触れる機会が多いと述べている。

サンリオはハローキティ誕生45周年を記念して新しい企画「HELLO AGAIN」を実施し、ハローキティとの素敵な思い出や原体験をお客様から募集している。

当選者にはハローキティのぬいぐるみを贈る権利が与えられ、相手には当選者のメッセージとともにぬいぐるみが送られる。

これにより人々の大切な想いが繋がり、サンリオの思いやりとみんな仲良くの輪が拡がっていく。

また、サンリオは毎年「キャラクター大賞」を開催し、ファンが大好きなキャラクターへの愛を表現できる場所を提供している。

投票方法はWebまたはショップでの直接投票で、ショップでは商品を購入すると投票用のチップがもらえ、好きなキャラクターに投票できる。

サンリオは長年愛され続けるキャラクターを生み出し、顧客との長期的なエンゲージメントを築くために「ライフタイムジャーニー」という手段を用いている。

同社は、1960年に設立され、「Small Gift Big Smile」を企業理念とし、ギフト商品の企画・販売やIPビジネス、ライセンシング事業、テーマパークの運営など様々な事業を展開している。

サンリオのキャラクターが商品・サービスを通じて人と人をつなぐことで、その関係性をより良くすることを目指している。

サンリオは、ハローキティやぐでたまなどの人気キャラクターを開発し、約200の店舗で関連商品を販売している。

サンリオのビジネスのバリューチェーンは、店頭から始まり、キャラクターの商品をお客様に手に取ってもらい、販売状況をみながら商品や販路を拡大していく。

育てたキャラクターは最終的にライセンスアウトを行い、他社との提携や商品開発などでサンリオのビジネスを伸ばす要素になる。

キャラクターと顧客との接点を生み出すために、リアルとデジタルの両面でアプローチしており、顧客体験に違いが出ないようにしている。

サンリオは、長期スパンで顧客と関わる「ライフタイムジャーニー」を目指しており、多角的な接点から顧客へとアプローチしている。

サンリオが展開する「Hello Kitty Japan」ダイバーシティ東京店の業績が下降しており、2020年4〜12月期の決算では売上高が前年同期比3.4％減の約421億円となり、営業利益は同36.1％減の約24億円、純利益はほぼ半減の約15億円となった。

これは過去5年間で最悪の数字であり、営業利益はおよそ5分の1、純利益は6分の1の水準にまで落ち込んでいる。

売上高は減少傾向ながら、安定して500〜700億円の利益を叩き出していたが、最近では利益の急激な下降が続いている。

サンリオは通期での業績予想を据え置きとしたが、新型コロナウイルスの流行など不確定な要素も多く、2020年3月期以降の回復見通しは霧の中だ。

本業のキャラクタービジネスが危うい状況である。

サンリオの2020年4〜12月期決算によると、ライセンス事業の売上高と営業利益が前年同期比でそれぞれ6.6％減と6.7％減と低調であった。

また、海外全体では売上高で21億円、営業利益で12億円を失う結果となった。

特にアジアでは売上高が13.4％減、営業利益が20.4％減と大幅に減少しており、日韓関係の緊張や香港デモの影響もあって苦しい状況にあることが報告されている。

さらに、本社経費と物流費の高止まりで販管費が増加し、全体として厳しい業績となっている。

サンリオピューロランドなどのテーマパークの売り上げが増加し、ロイヤリティの比率が多少減少した。

しかし、海外の売上高が減少し、本業であるキャラクタービジネスの弱体化が進んでおり、会社の根本まで揺らぎかねない状況にある。

キャラクタービジネス自体の市場規模は10年間ほぼ横ばいが続いており、サンリオの業績低下には同社の個別の事情があると言えそうだ。

日本における女児向けの玩具市場は年間約400億円であるのに対して、アパレル市場は約9兆円と巨大だ。

海外に目を向ければその市場規模はさらに大きい。

ハローキティの知名度を高めるブランディングを推進し、ライセンスを他の事業領域に展開することで、新たなビジネスチャンスが生まれた。

サンリオの営業利益に占める海外事業の比率は94％にまで成長し、コストの高い物販小売中心だった経営環境を大きく変化させることに成功した。