タクシー領収書とインボイス制度の利用方法について

石川県金沢市にある税理士法人のむら会計、公認会計士・税理士の野村が、インボイス制度開始後のタクシー領収書におけるインボイス番号のない場合の対応について解説します。

令和5年10月以降のインボイス制度開始後、タクシーに乗った際に領収書にインボイスの番号がない場合、会社ができるだけ有利な経理処理方法について詳しく解説します。

また、消費税の申告と支払いについても詳細に解説し、会社が税務署に支払う消費税の計算方法についても具体的な例を挙げながら説明します。

2023年10月1日に導入されるインボイス制度は、業務で使ったタクシーの経費精算にも適用される。

経費精算を申請する社員と、申請の確認、承認する経理担当者の双方に影響が出る可能性がある。

GO株式会社（旧社名：株式会社Mobility Technologies）が提供するタクシーアプリ「GO」の法人契約版「GO BUSINESS」は、ビジネスの用途に合わせたタクシーの予約・配車、経費精算、利用管理ができるサービスだ。

タクシー乗車時の領収書の受け取りや申請が不要になり、タクシー経費精算におけるインボイス対応の工数を削減する。

インボイス制度は、タクシー業界に大きな影響を与える可能性があります。

特に、適格簡易請求書の導入により、タクシー業者の会計処理が簡素化される一方で、消費税の納付義務が生じるなど、様々なメリット・デメリットが存在します。

具体的な制度の適用範囲や影響について、詳しく解説します。

2023年10月1日以降、業務でタクシーを使う際、代金が3万円未満でもインボイスを保存しなければ仕入税額控除を受けられません。

現行では、3万円未満の仕入れは、請求書の保存をしなくても法定事項が記載された帳簿を保存すれば仕入税額控除が適用されます。

しかし、本特例はインボイス制度の開始によって原則廃止されます。

インボイスの交付が難しい一部の取引は、2023年10月1日以降も交付義務が免除されますが、タクシー代は免除対象ではありません。

交付義務が免除される公共交通機関には、船舶やバス、鉄道が該当します。

インボイスの交付義務が免除される取引の例●　3万円未満の公共交通機関の運賃●　自動販売機での3万円未満の課税資産の譲渡●　郵便切手を対価とする郵便サービス（郵便ポストに差し出されたものに限る） 個人タクシーの売上が減る可能性があるインボイス制度は、タクシー会社や個人タクシーの売上に大きな打撃を与えかねません。

免税事業者のタクシー会社や個人タクシーは、インボイスが発行できません（※）。

しかし、業務でタクシーを利用する人は、仕入税額控除を受けるのにインボイスが必要です。

インボイス制度の導入により、インボイス対応のタクシーへの需要が増加し、非対応のタクシー事業者の売上が減少する可能性があります。

特に、個人タクシーはインボイスに対応するかどうかの慎重な検討が必要です。

多くのタクシー会社はすでに課税事業者であるため、基本的にインボイス発行事業者の登録を受けると予想されます。

しかし、個人タクシーには免税事業者も少なくありません。

インボイスに対応しないままでいれば消費税の納税義務は免除されますが、一方で売上の減少は避けられないでしょう。

（※）免税事業者とは、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者です。

免税事業者は消費税の納税義務が免除されます。

インボイス制度をタクシー業界が導入するメリット インボイス発行事業者の登録を受けたほうが良いかどうかは、タクシー事業者によって異なります。

インボイス制度を導入するメリット●　インボイスを発行できる●　消費税の還付を受けられる可能性があるインボイス制度を導入するメリットについて、解説します。

最近の税制改正により、消費税の負担が増える中、80％の消費税控除が可能なインボイス制度の活用方法について解説します。

具体的な事例を交えながら、免税事業者との取引による消費税負担軽減の仕組みを詳しく紹介します。

この仕組みは、「払った消費税（相当）」の80％を「もらった消費税」から控除することで、実際に支払う消費税額を減らすものです。

具体的には、出張旅費等特例を使うことで100％控除を受けることができ、さらにインボイス番号の記載がなくても消費税を100％控除できる方法もあります。

これにより、実際に支払う消費税額を大幅に削減することが可能となります。

タクシー代の経理処理について、インボイス番号がない場合の経理方法について解説しました。

経理方法によって使える期間や会社規模、金額が限られるため、タクシー代の経理は複雑な形になります。

特に出張旅費等特例が最も優れており、インボイス番号がない場合でも利用できるため、この方法を使うことを推奨します。

また、今後のインボイス制度開始に備えて、法改正に対応するための知識を身につけることが重要です。

記事では、仕事でタクシーを利用する際の消費税の仕入税額控除について解説。

個人タクシーも対象だが、インボイス登録が必要。

個人タクシーの場合、登録がないと仕入税額控除が受けられない。

クレジットカードでタクシー代を支払った場合、出張旅費特例の適用はなく、精算が必要です。

クレジットカード引落明細では要件を満たさないため、タクシー会社からのインボイスの保存が重要。

少額特例が適用される場合、課税売上高が１億円以下の事業者は、税込1万円以下のタクシー代についてインボイスが不要。

ただし、法人税・所得税上必要経費としては領収書保存が必要。

基準期間は2期前の事業年度（法人）または2年前（個人事業者）。

帳簿にはタクシーに乗った日、取引内容として「タクシー代」、タクシー会社名の記載が必要。

個人タクシーが仕入税額控除を受ける条件として、「出張旅費特例」が挙げられる。

ただし、個人タクシーはインボイス登録をしていなくても条件を満たせば控除が受けられる。

一方で、インボイス登録事業者として知られる組合も存在し、ステッカーを車体に貼ることで「インボイス対応」をアピールしている。

これにより、個人タクシーでも問題なくインボイスの交付が可能となっている。