晩餐の謎：化石から見える三葉虫の食事の秘密

4億7000万年前の三葉虫の化石がモロッコのフェゾウアタ累層から発見されました。

この化石は非常に珍しく、内臓や脚などが残っていることが研究者によって発見されました。

これにより、三葉虫の生態について新たな知見が得られる可能性があります。

三葉虫は太古の地球の海で繁栄した節足動物であり、2万種以上が同定されていますが、その詳しい生態はあまりわかっていませんでした。

なぜなら、三葉虫が死んで甲羅のような硬い殻が化石になる頃には、体の下側にある脚などの軟らかい組織は跡形もなくなっているためです。

しかし、この発見により、新たな手がかりが得られる可能性があります。

モロッコのフェゾウアタ累層から発見された3個の化石は全長30センチほどで、脚や消化器官が残されており、古代の海で活動していたことが推測される。

中腸腺や素嚢の存在から、普段は堆積物を食べていたが、偶然肉食も行っていた可能性が示唆されている。

研究チームが精査した三葉虫メギスタスピス・ハモンディの化石は驚くほど保存状態が良好で、内臓や脚（付属肢）などが見事に残っていた。

そのおかげで研究チームは、三葉虫の脚と同時代の「足跡」化石の形状が一致することを確認できた。

クルジアナは古生代の幅広い年代で見つかっていますが、なかでもクルジアナ・ルゴサと呼ばれる種類の化石は、年代と地域がメギスタスピスと重なっているのです。

その年代は4億8800年前から4億4300万年前、古生代のオルドビス紀にあたると、ガルシア＝ベリード氏は説明する。

そして思った通り、メギスタスピス・ハモンディの脚のトゲは、引っかいた痕のようなルゴサの形状と実によく一致しています。

メギスタスピスのような三葉虫がクルジアナなどの生痕化石を作ったという証拠は、これまではごくあやふやなものしか見つかっていなかった。

そう語るのは、英国のロンドン自然史博物館の研究者で三葉虫を専門とするグレッグ・エッジコム氏だ。

三葉虫（Trilobite）は古生代に生息した化石節足動物の分類群であり、横で3部に分かれた硬い外骨格を持っています。

古生代を代表する海生動物であり、カンブリア紀から繁栄し、ペルム紀末で絶滅しました。

体は前後に数多くの体節からなり、各体節に一対の付属肢が備わっていたと考えられています。

背面の外骨格は縦割りに中央部の軸部とそれを左右対となって挟む肋部となっており、この縦割り三区分が三葉虫の名称の由来となっています。

付属肢は全てが体の下に覆われ、軸部はアーチ状に盛り上がり、肋部は比較的平坦であるが、より派生的な系統では肋部の外側が腹側へと傾斜する傾向を持ちます。

頭部には通常複眼が左右に1対あるが、目を退化消失した種もさまざまな系統で知られています。

三葉虫の化石から見つかった奇妙な筋の謎について、研究者たちの発見と推測が明らかになった。

メギスタスピスの化石から得られた情報は、三葉虫の生態や活動について新たな理解をもたらす可能性がある。

特に、クルジアナ・ルゴサという生痕化石が三葉虫の脚のトゲによって作られた可能性が浮上しており、これが三葉虫の生態学的な側面に関する重要な示唆となっている。