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『火垂るの墓』は何を伝えたかったのか?戦争と家族、そして命の儚さ?戦争孤児の兄妹、戦争の悲劇を描く物語

終戦間近の日本を舞台に、兄妹の切ない運命を描いたアニメ映画『火垂るの墓』。過酷な時代を生き抜こうとする兄・清太と妹・節子の姿を通して、戦争の悲惨さ、家族愛、そして人間の弱さを浮き彫りにします。原作との比較、高畑勲監督の意図、そして現代社会への問いかけ。観る者の心を揺さぶる、普遍的なテーマが凝縮された不朽の名作です。

『火垂るの墓』は何を伝えたかったのか?戦争と家族、そして命の儚さ?戦争孤児の兄妹、戦争の悲劇を描く物語

📘 この記事で分かる事!

💡 高畑勲監督のアニメ映画『火垂るの墓』は、戦争孤児となった兄妹の過酷な運命を描いた作品。

💡 原作は野坂昭如の実体験に基づき、戦争の悲劇と、命の尊さを浮き彫りにしている。

💡

それでは、本日は『火垂るの墓』を通して、戦争の悲惨さと、そこから私たちが何を受け取るべきか、考察していきましょう。

戦火の中で

火垂るの墓、何がテーマ?戦争の悲劇と何?

幼い命の儚さ。

物語は、終戦間近の神戸を舞台に、空襲で親を亡くした兄妹、清太と節子の姿を描いています。

過酷な状況下で、兄妹はどのように生きたのでしょうか。

火垂るの墓(1988) : 作品情報・声優・キャスト・あらすじ
火垂るの墓(1988) : 作品情報・声優・キャスト・あらすじ

✅ 直木賞受賞の野坂昭如の短編小説を原作とし、高畑勲監督が映画化したアニメーション作品。

✅ 終戦間近の神戸を舞台に、戦災孤児となった兄妹が過酷な運命をたどる姿を描いている。

✅ 空襲で家を失い、親戚のもとを離れた兄妹が防空壕で共同生活を送るが、次第に貧困に陥っていく様子を描く。

さらに読む ⇒映画.com - 映画のことなら映画.com出典/画像元: https://eiga.com/movie/39423/

兄妹の置かれた環境は、食糧不足や差別など、現代の私たちが想像もできないほど過酷だったと思われます。

それでも、互いを思いやる姿が印象的でした。

1988年に公開された高畑勲監督のアニメ映画『火垂るの墓』は、野坂昭如の短編小説を原作としています。

物語は、終戦間もない時期を舞台に、神戸大空襲で親を亡くした兄妹・清太と節子の姿を描いています

原作は野坂昭如の実体験に基づいており、兄妹が置かれた過酷な状況や、死が日常的であった時代が、作者独特の文体でリアルに描かれています。

映画では、兄妹の愛情が強調される一方で、原作では、飢餓や育児の困難さ、そして戦争の悲劇が、より詳細に描かれています。

清太と節子は空襲で親を失い、親戚の家に身を寄せますが、やがて居場所を失い、自給自足の生活を始めます。

しかし、その生活は厳しく、次第に栄養失調で節子の命は尽きてしまいます。

物語は、清太の回想を通して語られ、戦争の悲惨さと、幼い命の儚さを浮き彫りにしていきます。

えー、なんか暗い話やねんけど、兄妹の絆みたいなのはちょっと感動したわ。でも、戦争ってほんま嫌やね!

兄妹の選択と葛藤

清太の行動、一体何が問題だった?

自己責任と孤立が破滅を招いた。

兄妹は、親戚の家を転々とし、最終的には自立した生活を始めます。

しかし、そこには、様々な困難が待ち受けていました。

清太の破滅は「自己責任」だったのか…『火垂るの墓』で高畑勲監督が本当に伝えたかったこと(週刊現代)
清太の破滅は「自己責任」だったのか…『火垂るの墓』で高畑勲監督が本当に伝えたかったこと(週刊現代)

✅ 声優の白石さんは、5歳の子役の演技指導に苦労し、節子の台詞を何度も録音し直した。

✅ 「なんでホタルすぐ死んでしまうん?」という節子の台詞は、母の死を隠していた清太と、母の死を知っていた節子の対比、そして戦争で多くの命が失われた様子を象徴している。

✅ 食べる物に困った清太が農家に食べ物を求めたが断られ、戦時下の人間関係の厳しさや疎外感が描かれている。

さらに読む ⇒現代ビジネス | 講談社 @gendai_biz出典/画像元: https://gendai.media/articles/-/98900?page=3

清太の自尊心と、周囲との関係性の難しさが、物語の重要なポイントですね。

自己責任という言葉の重さについても考えさせられます。

物語の中心となるのは、清太と叔母の関係です。

生活苦から清太と節子を冷遇する叔母に対し、清太は自尊心から助けを拒否します。

この清太の行動は、観客の間で様々な意見を呼び、自己責任が問われることにもなりました。

高畑監督は、清太を非難する風潮を危惧し、全体主義への批判を込めてこの作品を制作したとされています。

清太は、周囲との繋がりを断ち、情報弱者となったことが、節子との破滅を早めた要因とも言えます。

映画と原作を比較すると、清太と節子の血縁関係や、清太が妹を献身的に世話をする姿など、細部に違いが見られます。

野坂昭如は、自らの戦争体験を包み隠さず、妹への後悔を告白しており、作品を通して贖罪の意図があったとされています。

映画では、人との繋がりを重視し、社会から孤立することの危険性を示唆しています。

いやー、俺、清太みたいな男、嫌いじゃないっすよ。ちょっとカッコつけすぎだけど、妹想いなとこ、よかやん?

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戦争の悲劇と現代社会への問い。高畑勲監督『火垂るの墓』は、普遍的なテーマを描く。清太と節子の魂が訴える、優しさ、希望、そして私たちが忘れてはならないものとは?